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爆撃予想問題 : 第33回 債権の消滅
投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-03 17:55:05 (52 ヒット)

問5 共に宅地建物取引業者であるAB間でA所有の土地について,平成16年9月1日に売買代金3,000万円(うち,手付金200万円は同年9月1日に,残代金は同年10月31日に支払う。)とする売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。(平成16年・問4)
1.「本件売買契約に利害関係を有しないCは,同年10月31日を経過すれば,Bの意思に反しても残代金をAに対して支払うことができる。」

2.「同年10月31日までにAが契約の履行に着手した場合には,手付が解約手付の性格を有していても,Bが履行に着手したかどうかにかかわらず,Aは,売買契約を解除できなくなる。」

3.「Bの債務不履行によりAが売買契約を解除する場合,手付金相当額を損害賠償の予定とする旨を売買契約で定めていた場合には,特約がない限り,Aの損害が200万円を超えていても,Aは手付金相当額以上に損害賠償請求はできない。」

4.「Aが残代金の受領を拒絶することを明確にしている場合であっても,Bは同年10月31日には2,800万円をAに対して現実に提供しなければ,Bも履行遅滞の責任を負わなければならない。」

1.【正解:×】◆第三者の弁済 ⇒ 参照 : 昭和47年
 A (売主,債権者)−B (買主,債務者)
              C (法律上,利害関係のない第三者)
 第三者は,法律上の利害関係がないときは,債務者の意思に反して弁済をすることができません。(474条2項,判例)
 履行期を過ぎていてもこのことには変わりがありません。したがって本肢は誤りです。
 利害関係を有する第三者とは,「弁済をすることに法律上の利害関係を有する者」を意味する。(最高裁・昭和39.4.21)
 ⇔ 対比 保証と弁済の違い
 第三者は,主たる債務者の意思に反しても,保証人になることができる。(462条2項)
(主たる債務者の委託があるか,意思に反しているかで違うのは,求償の範囲が違うだけ。)
●法律上の利害関係人と事実上の利害関係人の区別 
法律上の利害関係人 =物上保証人・担保不動産の取得者である第三者・
 後順位担保権者・借地上の建物の賃借人など。
 → 債務者の承諾がなくても第三者弁済できる。
事実上の利害関係人 =債務者の友人・知人・親族
 「法律上の利害の関係のない第三者」となる。
 → 債務者の承諾がないと第三者弁済できない。
▼注意
 単なる保証人による債務の弁済は,自らが負担している保証債務の弁済であり,第三者の弁済にはなりません。他人の債務を保証した者は,他人がその債務を履行しないときには,その債務を他人に代わって履行する責任を負います。(保証人,連帯保証人,連帯債務者などによる弁済は第三者としての弁済ではなく,債務者とともに債務を負担する者としての弁済であることに注意)

2.【正解:×】◆解約手付
 Aは,相手方Bが着手していなければ,A自ら履行に着手していても手付による解除をすることができるので,「Aが契約の履行に着手した場合には,Bが履行に着手したかどうかにかかわらず,Aは,売買契約を解除できなくなる。」とする本肢は誤りです。(557条1項,判例)
〔判例〕自らが契約の履行に着手していても,相手方が着手前であれば,
  ・買主は、手附を放棄して
  ・売主は、手附の倍額を支払うことによって
解除できる。(最高裁・昭和40.11.24)
▼557条1項は強行規定ではなく任意規定なので,当事者どうしで,<相手方が履行に着手した後でも手付放棄によって解除できる>という特約を締結することができます。(大審院・昭和14.5.26)

3.【正解:○】◆損害賠償額の予定
 A (売主,債権者) ―――― B (買主,債務者)
 Bの債務不履行により
 Aが売買契約を解除。⇒ Aは,損害賠償額の予定を超えて請求できない。
 当事者があらかじめ債務不履行の場合の損害賠償の額を定めておくことを『損害賠償額の予定』といいます。
 損害賠償の予定額を定めていた場合には,債務不履行の事実を立証するのみで,損害の発生や損害額を立証しなくても予定額の賠償を請求できます。(大審院・大正11.7.26)
 しかし,損害賠償の予定額を定めていた場合には,当事者は,実際の損害額がそれよりも多くてもまた少なくても,原則として,予定額の増減を主張することはできません。(420条1項)→この例外については,平成14年・問7・肢2,肢3を参照。
 本肢では,手付金相当額200万円が損害賠償の予定額となっているので,Aの損害が200万円を超えていても,Aは手付金相当額以上に損害賠償請求はできません。

4.【正解:×】◆口頭の提供
 A (売主,債権者) ―――― B (買主,債務者)
 Aが残代金の受領を拒絶
 することを明確にしている。 
⇒ 現実に提供しなくても,口頭の提供でよい。
 債権者が正当な理由なく,受領を拒絶している場合では,現実の提供をしなくても,口頭の提供をすれば,履行遅滞の責任は免れるので,本肢は誤りです。

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