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権利 : 令和元年 問2 意思表示
投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-05 21:04:19 (12 ヒット)

問2 AがBに甲土地を売却し、Bが所有権移転登記を備えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1. AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消した後、CがBから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えた場合、AC間の関係は対抗問題となり、Aは、いわゆる背信的悪意者ではないCに対して、登記なくして甲土地の返還を請求することができない。

2. AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消す前に、Bの詐欺について悪意のCが、Bから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えていた場合、AはCに対して、甲土地の返還を請求することができる。

3. Aの売却の意思表示に要素の錯誤がある場合、Aの錯誤について悪意のCが、Bから甲土地を買い受けたときは、Aに重大な過失がなければ、AはBに対する意思表示を錯誤を理由に取消し、Cに対して、その取消しを主張して、甲土地の返還を請求することができる。

4. Aの売却の意思表示に要素の錯誤がある場合、Aに重大な過失があったとしても、AはBに対して、錯誤による当該意思表示の取消しを主張して、甲土地の返還を請求することができる。

解答解説
正解4
=============================================
1 正しい
買主Bが売主Aをだまし、AとBの売買契約が成立し、AからBへの所有権移転登記後に、Aが詐欺により取消しをしたが、BはCに売却しCが所有権移転登記といった流れを経ており、転売を受けた第三者Cは、詐欺による取消後の第三者にあたります。
この場合、売主Aと第三者Cとの優劣関係は、対抗問題として考えます(大判昭17.09.30。民法177条)。つまり、買主Bを起点として、取消しによる物権の復帰を求める売主A買主からの取得を理由に所有権の移転を求める第三者Cという二人の間に二重譲渡類似の関係があると考えるのです。
本肢では、Cがすでに所有権移転登記を備えています。したがって、Aは、Cに対して甲土地の所有権を主張し、その返還を請求することができません

2 正しい
買主Bが売主Aをだまし、AとBの売買契約が成立し、AからBへの所有権移転登記後にBがCに売却Cが所有権移転登記をし、Aが詐欺により取消しを行っており、転売を受けた第三者Cは、詐欺による取消前の第三者にあたります。
この場合、売主Aは、契約の取消しを善意無過失の第三者に対抗することができません(民法96条3項)。逆にいえば、第三者が悪意である場合、取消しを対抗することが可能です。
本肢のCはBの詐欺について悪意です。したがって、Aは、Cに対して甲土地の所有権を主張し、その返還を請求することができます。

3 正しい
■錯誤の効果
まず、意思表示の当事者であるAB間について考えます。
意思表示に錯誤がある場合、,修譴要素の錯誤であり、表意者に重大な過失がなければ、表意者は、意思表示を取り消すことができます(民法95条1項1号、3項)。
本肢のAは、「要素の錯誤がある」「重大な過失がない」の要件をみたしていますから、錯誤を理由に意思表示を取り消すことができます。

■第三者への対抗
Aから見て、Cは、錯誤による取消前の第三者にあたります。
この場合、Aは、この取消しを善意無過失の第三者に対抗することができません(同条4項)。
しかし、本肢のCは、Aの錯誤について悪意です。したがって、Aは、Cに対して意思表示の取消しを主張して、甲土地の返還を請求することが可能です。

4 誤り
(肢3参照。)
Aには要素の錯誤があります。しかし、一方で、重大な過失もあったわけです。この場
合、Aは、意思表示を取り消すことができません(民法95条1項1号、3項)。甲土地の
返還を請求することは不可能です。

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