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爆撃予想問題 : 第40回 令和2年改正対応 賃貸借
投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-23 17:53:13 (36 ヒット)

問1 AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し、引渡しを受けた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。  (平成18年・問10)  正答率  54.6%
1.「AがBの承諾なく当該建物をCに転貸しても、この転貸がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、BはAの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはできない。」
2.「AがBの承諾を受けてDに対して当該建物を転貸している場合には、AB間の賃貸借契約がAの債務不履行を理由に解除され、BがDに対して目的物の返還を請求しても、AD間の転貸借契約は原則として終了しない。」
3.「AがEに対して賃借権の譲渡を行う場合のBの承諾は、Aに対するものでも、Eに対するものでも有効である。」
4.「AがBの承諾なく当該建物をFに転貸し、無断転貸を理由にFがBから明渡請求を受けた場合には、Fは明渡請求以後のAに対する賃料の全部又は一部の支払を拒むことができる。」

問1 【正解】
1 2 3 4
○ × ○ ○
1.【正解:○】◆無断転貸を理由にした解除の制限 
 賃貸人の承諾なく,賃借権の譲渡や転貸が行われた場合,賃借人が第三者に賃貸借契約の目的物の使用収益をさせたときに契約の解除をすることができます。(民法612条2項)
 しかし,背信的行為と認めるに足りない事情がある場合には,信頼関係が破壊されたとはいえないので,解除することはできません(判例)。
注意1 賃借人が転貸借の契約をしただけでは,賃貸人は解除権を行使することはできない。第三者が賃貸借契約の目的物を使用収益してはじめて,賃貸人は解除権を行使できる。
注意2一時的なもの,錯誤によるもの,離婚した夫から妻へ,親から子へなど,背信的行為とはいえない事情があるもの。

2.【正解:×】◆債務不履行を理由にした原賃貸借の解除には対抗できない
 原賃貸借が賃料不払いにより解除された場合,賃貸人Bが転借人Dに対して,目的物の返還を請求してきたときに,AD間の転貸借契約は終了します(最高裁・平成9.2.25)。(この場合,AB間の賃貸借契約が解除されたため,転貸人Aは転借人Dに対して履行不能になっています。)このため,Dは,AD間の転貸借契約に基づく転借権を賃貸人Bに対抗することはできず,BがDに対して目的物の返還を請求してきた場合は,転借人DはBに明渡さなければなりません。
■■■原賃貸借が賃貸人と賃借人の合意により解除されたときは■■■
図1
 賃貸人
 |合意解除
 賃借人 (転貸人) ――― 転借人

 賃貸人と賃借人とが賃貸借契約を合意解除しても,特段の事情がない限り,賃貸人は転借人に対してこの合意解除の効果を主張できない(最高裁・昭和 62.3.24)

3.【正解:○】◆賃借権の譲渡
 賃貸人が,賃借権の譲渡について,承諾をするのは,賃借権の譲渡人だけでなく,賃借権の譲受人に対するものであってもよいとされています(最高裁・昭和31.10.5)。

4.【正解:○】◆無断転貸を理由にした明渡し請求があったときの賃料支払拒否
 賃貸人に無断で賃借権の譲渡や転貸借があった場合に,賃貸人は,以下の請求ができるとされます(判例)。
(1) 原賃貸借契約を解除せずに,目的物の明渡しを転借人・賃借権の譲受人に請求できる。
(2) 転借人に対して賃料に相当する損害賠償を請求することができる。本肢のBは、この1) により、転借人のFに明渡請求をしています。この場合,Fに何ができるかを本肢で問うています。
転借人Fが賃貸人Bから明渡請求を受け,転借人Fが目的物を使用収益できなくなるときは,Fは,転貸人(賃借人)Aに対して,明渡し請求以後の賃料の全部または一部の支払を拒否できます(559条,576条,判例)。
(転貸人Aは,賃貸人Bの承諾を得る義務を負い,Bの承諾が得られないときは, 転借人Fに対して,契約不適合責任を負います。)

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