第9回 相続(その1)
■□ 学習Point ■□==============================
1.相続人は誰か? その相続分はどれだけか?
2.相続人が相続を承認または放棄する仕方とその効果は?
3.遺言の仕方とその効果は?
4.遺留分の行方は?
■□ 1 相続人と法定相続人 ■□======================
★ 第一順位 〜 子または代襲相続人
(実子・養子・嫡出子・非嫡出子間でも順位は同じ。)
★ 第二順位 〜 直系尊属
(第一順位が1人でもいれば相続人とはなれない。)
★ 第三順位 〜 兄弟姉妹
(第一順位・第二順位が1人でもいれば相続人になれない。)
★ 配偶者 〜 常に相続人となる。
(血族相続人となるべき者があるときは、常に同順位で相続人
となる。)
■□ 2 法定相続分 ■□===============================
★ a『子』と『配偶者』の場合
『子』全員で→ 1/2 ★ 非摘出子は嫡出子の1/2で ある。
代襲相続人〜相続人となるべき者が『放棄』しない限り
その子が相続し、その代襲相続は無限に続く。
『配偶者』 → 1/2
------------------------------------------------------------
★゛b『直系尊属・配偶者』の場合
『直系尊属』全員で → 1/3
★ 親等が異なる者の間では、近い方が優先。
『配偶者』 → 2/3
-----------------------------------------------------------
★゛c『兄弟姉妹』と『配偶者』の場合
『兄弟姉妹』全員で → 1/4
★ 半血兄弟姉妹は、全血の兄弟姉妹の1/2。
★ 兄弟姉妹の代襲相続は一代限り。
『配偶者』 → 3/4
------------------------------------------------------------
ここでは、誰が相続人になり、いくら相続分があるか具体的に計算が出来るまで理解して
もらいたいです。
それでは演習問題をしてみましょう。
■■■ 演習問題 ■□■**********************************
<< 問 題 >>
Xは、9000万円の遺産を残して死亡した。Xには、配偶者YとYとの間の子Aがある。XとY
との間には、Aの他に子Bもいたが、BはX死亡の前に既に死亡していた。その子bが残さ
れている。
さらに、Xには、非嫡出子cもいる。Aには、子aがおり、AはXは死亡後ただちに相続を放棄
した。この場合の民法の規定に基づく法定相続分にかんする次の記述のうち、正ものは
どれか。
1.Yが6000万円、Cが3000万円の相続分を取得する。
2.Yが4500万円、bが4500万円の相続分を取得する。
3.Yが4500万円、bが3000万円、cが1500の相続分
を取得する。
4.Yが4500万円、aが1800万円、bが1800万円、
c900万円の相続分を取得する。
■□■ 解説・解答 ■□■*********************************
----------------------X(被相続人)--------------Y(配偶者)○
| |
c(非嫡出子)○ 放棄A(子)―――― 死亡B(子)
| |
a × b○
<< 解 説 >>
まずここでは相続人は誰かということですが、最初に考え出すことが出来るのは代置順
位である。子です。この場合、Xの子であるAは放棄していますので代襲相続は発生しま
せん。従ってAの子であるaには相続権は有りません。
次にBですが、Xの相続が発生する前に既に死亡しています。この場合はBの子であるb
に代襲相続が発生しますので相続権があることになります。
次に非嫡出子であるcですが、非嫡出子といっても、、cはXの子には違いありませんの
で、嫡出子同様相続人に該当します。
従って、相続人は配偶者Yとcとbと言うことになります。
次に相続分ですが、『子』・『配偶者』の場合はそれぞれ1/2です。
『子』 → 4500万円
『配偶者』 → 4500万円となります。
『子』 → の場合はこの事例では子の一方が非嫡出子ですのでさらに1/2を考えな
ければ成りません。従って、→
b=3000万円 c=1500万円となります。
**********************************************************
<< 解 答 >>
解答 1.× 2.× 3.○ 4.×
**********************************************************