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投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-23 17:53:13 (185 ヒット)

問1 AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し、引渡しを受けた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。  (平成18年・問10)  正答率  54.6%
1.「AがBの承諾なく当該建物をCに転貸しても、この転貸がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、BはAの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはできない。」
2.「AがBの承諾を受けてDに対して当該建物を転貸している場合には、AB間の賃貸借契約がAの債務不履行を理由に解除され、BがDに対して目的物の返還を請求しても、AD間の転貸借契約は原則として終了しない。」
3.「AがEに対して賃借権の譲渡を行う場合のBの承諾は、Aに対するものでも、Eに対するものでも有効である。」
4.「AがBの承諾なく当該建物をFに転貸し、無断転貸を理由にFがBから明渡請求を受けた場合には、Fは明渡請求以後のAに対する賃料の全部又は一部の支払を拒むことができる。」


投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-10 16:42:50 (91 ヒット)

問1 AがBの欺罔行為によって,A所有の建物をCに売却する契約をした場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。(平成14年・問1)

1.「Aは,Bが欺罔行為をしたことを,Cが知っているときでないと,売買契約の取消しをすることができない。」
2.「AがCに所有権移転登記を済ませ,CがAに代金を完済した後,詐欺による有効な取消しがなされたときには,登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。」
3.「Aは,詐欺に気が付いていたが,契約に基づき,異議を留めることなく所有権移転登記手続をし,代金を請求していた場合,詐欺による取消しをすることはできない。」
4.「Cが当該建物を,詐欺について善意のDに転売して所有権移転登記を済ませても,Aは詐欺による取り消しをして,Dから建物の返還を求めることができる。」

【正解】

■第三者の詐欺は,初出ではなく,昭和53年,平成4年・問8・肢4(取消の問題),平成4年・問2(代理の問題),平成10年・問7・肢1で既出。
■欺罔行為・・・表意者をダマす行為。詐欺とは,『人を欺き,錯誤に陥らせること』をいうが,すべての欺罔行為が詐欺になるわけではなく,社会通念上許される限度を超えた『違法な欺罔行為』をしたことが詐欺。

1.「Aは,Bが欺罔行為をしたことを,Cが知っているときでないと,売買契約の取消しをすることができない。」
【正解×】
◆第三者の詐欺 : 相手方が善意であってもその事に過失があればその契約を取り消すことができる

 ┌Bの詐欺
 A (本人)―――――――C (相手方)悪意
                 善意有過失

 ふつうの詐欺、つまり、意思表示の相手方が詐欺を行った場合は、常に取り消すことができますが、第三者が詐欺を行った場合には事情が変わります。

 第三者Bの詐欺によって意思表示した者Aは、相手方Cがその事実を知っていたかその事実を知らなくとも過失があれば取り消すことができます。(96条2項)

 ❶相手方が善意無過失・・・取り消しできない
 ❷相手方が悪意、善意有過失・・・取り消すことができる


2.「AがCに所有権移転登記を済ませ,CがAに代金を完済した後,詐欺による有効な取消しがなされたときには,登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。」

【正解:○】◆同時履行の抗弁権

 ┌Bの詐欺
 A (本人)―――――――C (相手方)

 取消の意思表示がされると、いったん有効に成立した契約は契約締結時点に遡って初めから無効であったものとして扱われ、当事者双方には、履行されたものがあれば、その返還義務が生じます。(121条)

 判例によれば、第三者の詐欺を理由に取り消された場合、当事者双方の返還義務は同時履行の関係にあるとされています。(533条の類推適用、最高裁・昭和47.9.7)

〔民法第533条〕
 当事者双方が互いに対等の債務を負う契約(双務契約)では、相手方の債務を履行するまでは自分の方の債務の履行を拒絶すると主張することができる。
 ただし、自分の方の債務を履行する期限がきていて、相手方の期限がまだ来ていないときには、この主張は許されない。

3.「Aは,詐欺に気が付いていたが,契約に基づき,異議を留めることなく所有権移転登記手続をし,代金を請求していた場合,詐欺による取消しをすることはできない。」

【正解:○】
◆法定追認

 ┌Bの詐欺
 A (本人)―――――――C (相手方)
 Bの詐欺に気がついていた

 詐欺・強迫により意思表示した者は、取消の原因たる情況を脱した後(詐欺にあったことを知った後、強迫された状態を脱した後)、その法律行為が有効であると認めることができます。〔追認、124条1項〕

 追認すると、取り消されるかどうか不安定だった法律行為が、確定的に有効なものになります。(122条) → 取消権の放棄

 この追認はその旨を相手方にはっきり言明するだけでなく、追認したのと同じだと思われるような行動をした場合にも適用されます。〔法定追認〕(125条)

 詐欺に気が付いているのに、『異議を留めることなく所有権移転登記手続をし,代金を請求していた』のでは、125条1項の『全部または一部の履行』にあたり、法定追認になります。従って、Aは,もはや詐欺による取消しをすることはできません。

4.「Cが当該建物を,詐欺について善意のDに転売して所有権移転登記を済ませても,Aは詐欺による取り消しをして,Dから建物の返還を求めることができる。」

【正解:〇】
◆取消前の善意の第三者でも転得者に過失があれば対抗できる。DがAに対抗できるためには善意無過失でなければならない。

 ┌Bの詐欺
 A (本人)―――――――C (相手方)――D(転得者)善意
Dが対抗するには善意無過失でなければならない。

 したがって、Aは相手方Cが第三者Bの詐欺について悪意か善意有過失であれば取り消しをすることでDから建物の返還を求めることができる。


投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-10 11:40:45 (88 ヒット)

問1.「錯誤が、売却の意思表示の内容の重要な部分に関するものであり、法律行為の要素の錯誤と認められる場合であっても、この売却の意思表示が取消すことはできない。」

【正解:×】◆法律行為の要素の錯誤は取消す事ができる。

 錯誤が,意思表示の内容の重要な部分に関するものであり,法律行為の要素の錯誤と認められる場合,その意思表示は取消す事ができるので。誤り(民法95条本文)。

問2.「錯誤が、売却の意思表示をなすについての動機に関するものであり、それを当該意思表示の内容としてAがBに対して表示した場合であっても、この売却の意思表示が取消す事はできない。」

【正解:×】
◆動機が相手方に表示されたときは錯誤が成立することがある

 原則として,錯誤が,意思表示をなす動機に関するものである場合はその意思表示は取消す事はできないが,それを当該意思表示の内容として表示したときは,錯誤が成立することがあり,その意思表示は取消す事ができるので誤り(判例)。

問3.「錯誤を理由としてこの売却の意思表示が取消す事ができるとなる場合、意思表示者であるAに重い過失があるときは、Aは自らその取消を主張することができない。 」
【正解:○】
◆表意者に重大な過失があるときは,錯誤による取り消しを主張できない

 錯誤を理由として意思表示が取消しができる場合でも,表意者に重大な過失があるときは,表意者は自ら錯誤による取り消しを主張することができない(民法95条但書)。 

問4.「錯誤を理由としてこの売却の意思表示が無効となる場合、意思表示者であるAがその錯誤を認めていないときは、Bはこの売却の意思表示の取消を主張できる。」

【正解:×】
◆錯誤による取り消しは,原則として,表意者のみが主張できる

 錯誤による意思表示の取消しを主張することができるのは,原則として,保護されるべき表意者のみであり,相手方や第三者は当該意思表示の無効を主張することはできない(判例)ので誤り。

▼ここは注意! 表意者に対する債権を有する第三者がその債権を保全する必要があり,表意者が錯誤を認めているときは,表意者に錯誤による無効を主張する意思がなくても代位行使する前提として錯誤による取り消しを主張することができる(判例)。


投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-10 11:20:30 (80 ヒット)

問1
A及びBは,Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し,連帯して代金を支払う債務を負担している。この場合,民法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものには×正しいものには〇のどれかを選択してください。

1「Aの債務が時効により消滅したときは,Bは,Aの負担部分について支払いを免れる。」

【正解:○】
■改正前、時効の完成した債務者の負担部分を引いたものが連帯債務になると、時効の完成は絶対的効でした。
■改正後、時効の完成は絶対的効力から相対的効力となりました。
     A連帯債務者⇔消滅時効完成
   
 C債権者 
   
     B連帯債務者 
 従って、連帯債務者の1人Aのために消滅時効が完成したとしても、他の債務者には、なんの影響を受ける事はありません。(439条)
▼例えば、連帯債務が4,000万円のときに、Aについて消滅時効が完成したとしても、CはBに対して債権全額4,000万円を請求できることになります。
■今回の改正〜絶対的効力は次の4つ
〕行(弁済など)、更改、A蟷Α↓ず同です。

2.「CがAに対して期限の猶予をしたときは,Bの債務についても,期限が猶予される。」
【正解:×】◆期限の猶予は、ほかの債務者には効力を生じない
     A連帯債務者⇔Cから期限の猶予
   
 C債権者        ↓
   
     B連帯債務者 Cから期限の猶予を受けたことにはならない
 債権者が連帯債務者の1人Aに、期限の猶予をしても、他の連帯債務者Bには効力を生じません。(440条)
■期限の猶予は相対的効力になります。

3.「CがBに対して支払いを請求して,Cの代金債権の消滅時効が中断されたときは,Aの債務についても,中断される。」

【正解:×】
■改正前、債務者の1人に請求すると、他の債務者も消滅時効が中断しましたが、
■今回の改正〜絶対的効力は次の4つとなりました。
〕行(弁済など)、更改、A蟷Α↓ず同です。従って、請求による中断は相対的効力となりますので、他の連帯債務者の債務は中断しないことになります。

     B連帯債務者⇔Cから履行請求を受けると中断される。
            →しかし、Aに履行請求したことにはならない。   
 C債権者                 ↓
   
     A連帯債務者  Aの消滅時効はそのまま進行する。

 連帯債務者の1人Bに対する履行の請求は、他の連帯債務者Aに対しては何の効力も生じません。Aの債務の消滅時効は中断せずにそのまま進行することになります。(434条)

4.「Aが債務を承認して,Cの代金債権の消滅時効が中断されたときでも,Bの債務については,中断されない。」
【正解:○】
◆債務者の1人が承認しても、他の債務者には消滅時効が中断しない
     A 債務を承認 → ほかの債務者の消滅時効は中断しない。
   /
 C 
   \
     B 
 連帯債務者の1人AがCに対して債務の承認をして消滅時効が中断した(147条3号)としても、他の連帯債務者には効力を生じないのでBの債務の消滅時効を中断しません。(440条) 


投稿者: matsuo 投稿日時: 2020-05-07 19:08:28 (80 ヒット)

民法(抵当権) 問題
問1 抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1. 債権者が抵当権の実行として担保不動産の競売手続をする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要があるが、対象不動産に関して発生した賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。
2. 抵当権の対象不動産が借地上の建物であった場合、特段の事情がない限り、抵当権の効力は当該建物のみならず借地権についても及ぶ。
3. 対象不動産について第三者が不法に占有している場合、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではないので、事情にかかわらず抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない。
4. 抵当権について登記がされた後は、抵当権の順位を変更することはできない。
===========
解答解説
民法(抵当権) 解説
問1
1. × 間違い
【解説】この問題は、実社会で見ていただければ理解が早いと思います。
もしあなたが、債権者(金融屋)としましょう。
毎月きっちりと借金を返済してくれている方をさしおいて、 なにかしよう(代位)など考えますか? 考えないと思います。
もし返済日に返済がなかったら、その時はじめて取り立てや 代位など、できることを全てやると思います。と言うことは、履行期も来ていないのに債権者が勝手なことを やるのはおかしな話だと言うことがわかっていただけると思います。
ですから、問題文は間違いだと判断できます。
2. 〇 正しい
【解説】これは、あなたが抵当権者の身になって見れば 理解が早いかと思います。
抵当権者は、借金が返ってこない場合、問題文の建物を売って 借金の返済に充てようと思っています。建物は、宙に浮いているわけではなく、土地あっての建物です。
ですから、抵当権を実行したら、土地の賃借権が外れるとなると 建物は、使い物になりませんし、競売で落札されるはずもありません。それでは、何のための抵当権か意味がありませんので、 判例も建物に抵当権を設定すれば、原則として、抵当権の効力はその土地の賃借権に及ぶとされています。よって問題文は正しいです。
3. × 間違い
【解説】抵当権者は、原則としては担保物権の占拠者に対して、口を出すのは、ダメだとなっています。なぜなら、所有者が担保物権を貸そうが、どうしようが自由だからです。抵当権者が、返済しなくなれば、その担保物件を競売にかけて売ればいいだけの話です。
ただ、その担保物件の価値を下げられては、貸したお金が返ってこない恐れがあります。もし、問題文の不法占拠者が「や〇ざ」とかだったら競売をかけても売れないか、もしくは、本来の価格よりかなり安い額で落札されると容易に想像できると思います。
これでは、何のために抵当権を設定したのか意味がありません。
ですから、このような場合には、例外的に抵当権者が不法占有者に対して、所有者に代位して妨害排除請求をしてもいいですと判例が出ています。
よって問題文は間違いとなります。
4. × 間違い
【解説】抵当権の順位は、変えることができます。
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民法(抵当権と根抵当権の違い) 問題
問2 AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に抵当権を設定する場合と根抵当権を設定する場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1. 抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならないが、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。
2. 抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には登記が必要であるが、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要である。
3. Bが抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することができるが、Bが根抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することはできない。
4. 抵当権の場合には、BはCに対する他の債権者の利益のために抵当権の順位を譲渡することができるが、元本の確定前の根抵当権の場合には、Bは根抵当権の順位を譲渡することができない。
===================================
解答解説
民法(抵当権と根抵当権の違い) 解説
問2
1. × 誤り
【解説】抵当権は、被担保債権を特定しなければ、設定することはできないと、判断できると思います。
抵当権は、特定の被担保債権が消滅すれば、付随性によって消滅します。
また、特定の被担保債権が移転すれば、随伴性によって、抵当権も移転すると言った具合に、1対1の関係となります。
根抵当権は、一度設定してしまうと元本確定日まで、限度額の範囲内であれば、何度でも借入、返済をすることができると言った便利なものです。
ですから、債権が発生する都度(不特定債権)、抵当権を設定しなければならないという手間が省ける利点を持っています。しかし、根抵当権は、不特定債権を担保するものですが、何でも際限なく担保できるわけではありません。
 民法では、以下の4つのみとなっています。
1. 債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるもの
2. その他債務者との一定の種類の取引によって生ずるもの
3. 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権
3. 手形上若しくは小切手上の請求権
従って、記述にある、あらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で、被担保債権とすることができると言うのは、誤りとなります。
民法398条の2
抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
2. × 誤り
【解説】売買の当事者間においては、登記のあるなしは、問題となりませんが、そこに第三者が現れた場合に、登記の有無で、勝ったり、負けたりするため、それに備えて、義務があるかのように登記を行っているのです。これは、所有権だけでなく、登記できる全ての権利に言える話です。(相続など一部例外はあります)
ですから、記述の抵当権や根抵当権についても、登記がなければ、第三者に対抗することはできないとなるのです。
記述には、、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要となっています。
第三者に対抗するために債務者Cの異議を留めない承諾が必要はありません。従って、記述は誤りとなります。
なお、根抵当権者が、元本の確定前の根抵当権を第三者に譲渡する場合は、債務者(根抵当権設定者)の承諾が必要となります。
3. × 誤り
【解説】ABCを整理しておきます。
A ⇒ 物上保証人
B ⇒ 債権者
C ⇒ 債務者
Aが物上保証人だと言うことは、理解していただけますよね。
ですから、記述は物上保証人に、催告の抗弁権があるかないかを訊いていると言うことになります。ここまできたら、わかったと思います。そう、物上保証人には、催告の抗弁権も検索の抗弁権もありません。
 従って、抵当権、根抵当権のどちらを実行する場合も、まず債務者Cに催告するように請求することはできないとなります。よって、記述は抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することができるとしているため、誤りとなります。
では、なぜ、タダの保証人には催告の抗弁権や検索の抗弁権があるのに、物上保証人にはないのか、不思議に思いませんか??
 これは、物上保証人は、ただの担保提供者に過ぎないからです。
保証人は債務の全額を保証している人ですが、物上保証人は、提供している担保の価値の範囲内でしか保証していない人なのです。例えば、主たる債務が1億円だったとしても、提供している担保を競売にかけたて1千万円だとしても、差額の9千万円の請求は、物上保証人にはできないのです。ですから、物上保証人は、債務を負った人ではなく、タダの担保提供をしている人に過ぎないと言う考えで、催告の抗弁権も検索の抗弁権もないと解されています。
4. 〇 正しい
【解説】抵当権の順位の譲渡については、抵当権者同士でその順位を融通し合うと言う程度の認識で十分かと思います。
抵当権は、被担保債権がいくらと言う具合に特定されていますから、抵当権者の順位を譲渡したり、放棄したりすることは、許されています。
一方、元本の確定前の根抵当権は、限度額以内と言うことだけはわかりますが、はっきりした被担保債権の額は、わからないと言うことになります。そのように額がわからないものの順位の譲渡を許すと言うことは、他の抵当権者に不利益をもたらす可能性が十分考えられると思います。
 ですから、そのような行為は、危険の芽をはじめから摘んでおく意味で、できないとなっています。 従って、記述は正しいです。
なお、根抵当権自体の譲渡は、根抵当権設定者の承諾があればできますから、注意しておいてください。
民法398条の11第1項
元本の確定前においては、根抵当権者は、第三百七十六条第一項の規定(順位の譲渡、放棄)による根抵当権の処分をすることができない。ただし、その根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。
=============================================
民法(抵当権)
問題3. 抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1. 賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除き、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。
2. 抵当不動産の被担保債権の主債務者は、抵当権消滅請求をすることはできないが、その債務について連帯保証をした者は、抵当権消滅請求をすることができる。
3. 抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する。
4. 土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
=============================================
解答解説
1. 〇 正しい
【解説】借りている土地の上に建物が建っており、その建物に抵当権が設定されている場合には、原則として、抵当権の効力は土地の賃借権にも及びます。
建物の競落人には、建物の所有権とともに土地の賃借権も移転することになります。ただ、この場合賃貸人の承諾は必要となりますが、承諾が得られないような時は、競落人は、裁判所に対して承諾に代わる許可を求めることができます。従って、記述は正しいと判断できます。

2. × 誤り
【解説】民法380条
主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
上記条文により、記述は誤りです。
抵当権消滅請求と言うのは、例えばA所有の抵当権付き建物をBが購入したとしましょう。もし、抵当権が実行された場合、Bはせっかく買った建物を手放さなくてはいけなくなってしまいます。これを救済するためにB(第三所得者)から債権者(抵当権者)に抵当権を消してくれと言う請求のことを言います。 なお、逆に債権者からB(第三所得者)に抵当権を消してましょうか?と言う申入れを、代価弁済と言っています。抵当権消滅請求ができるのは、第三取得者のみです。ではなぜ、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができないのでしょうか?
抵当権消滅請求は、抵当権付きの不動産を買う人が少ないと言う問題を解消するためにできた制度で、不動産の現在価値の弁済で抵当権の抹消を要求するというものですから、債権者(抵当権者)が一方的に、損をする可能性があると言う制度なのです。(元々の債権額で抹消請求するのであれば、普通の弁済ですから、わざわざ抵当権消滅請求などする必要がないため)
債務者本人や保証人等から借金まけてと言われて「はいそうですか」と普通は言いませんから、第三取得者のみとしているのです。
民法379条
抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
3. 〇 正しい
【解説】『抵当権者の請求に応じて』とありますので、債権者(抵当権者)からの申入れですので、記述は代価弁済のことを訊いています。
民法378条
抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
従って、記述は正しいとなります。
『第三者のために消滅する』ってどう言う意味なんだ?って方のために解説しますと、例えばAがBに対して1,000万円の債権があり、それを担保するためにBの土地に抵当権を設定した後に、Bがその土地をCに700万円で売ったとしましょう。
この場合、抵当権者であるAの請求に応じてCが700万円を支払うことを代価弁済と言います。代価弁済がなされるとAの抵当権はCのために消え、Aの残りの300万円の債権は無担保債権となりますよと言うことなのです。つまりBの借金が消えてなくなることではないと言うことで、あくまでも抵当権はCのために消しますと言うことなのです。
4. 〇 正しい
【解説】更地に抵当権を設定した後、その土地の上に建物が建てられた場合、抵当権実行時に、土地と建物を一括して競売にかけることを『一括競売』と言っています。
この場合は、土地にしか抵当権を設定していないのに、設定していない建物の代価からも優先弁済を受けるのは、おかしいのではないかと、誰もが思いますね。当然、土地の代価からしか優先弁済を受けることができません。従って、記述は正しいとなります。


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